個人投資家は介入をどう捉えるべきか

2011年10月31日。早朝には対ドルレートで市場最高値となる1ドル=75円32銭(海外市場)を付けたこの日、政府・日銀による為替介入が行われました。

介入は10時25分頃から始まり、わずか4時間ほどで1ドル=79円台半ばまで円安が進みました。今回の介入には総額で8兆円が投じられたとも言われ、これは過去最大の規模になります。

もしこのとき、個人がFXの取引に参加していれば、僅かの時間で損益が大幅に変動したわけで、投資家達は一瞬の判断の差で天国や地獄を味わったことになります。

では、そのような一見荒っぽい介入を政府が行うことに、果たして意味はあるのでしょうか?この日の介入の場合、日本単独での介入ということもあって、その効果は市場関係者の間でも疑問視され、日経平均株価も介入の瞬間こそ急騰したものの、結局最後は大きく売られて終わりました。

実際、政府による為替介入というものは、近年効果が薄れてきています。

というのも、市場がグローバル化した現代では、我々個人でさえFX取引に参入できるようになっているように、参加者が増えて為替市場自体の規模が巨大化し、いかに政府といえども、一プレイヤーが力ずくで相場を動かすようなことは難しくなってきているからです。

そのため、日本では1990年代には頻繁に行われていた為替介入も、2004年から2010年までの約6年半ほどの間、行われなかった時期がありました。

ですが、だから介入は全くの無意味だ、というわけではありません。介入をする側も相場を力ずくでは動かせないことが分かっていますから、最近の介入はテクニカルを駆使するなどして、ちゃんと効果が上がるようなタイミング、つまり、相場自体が反転しそうなタイミングで行われているようです。

為替相場は基本的にはその国の経済・財政状況や金融政策に左右されるので、介入によって相場の長期的なトレンドを転換させることは出来ないでしょうが、少なくとも短期的な相場の転換点になりそうな局面で行われている、というわけです。

ですから、我々個人の参加者としても、出鱈目なタイミングでの介入を過度に恐れる必要は無いと言えます。

例えば株式の個別銘柄を取引する場合、特定の仕手筋が資金力にモノを言わせてやりたい放題相場を動かしたり、取引できない時間帯に決算や格付け等の材料が出てくるということもありますので、それに比べれば24時間取引可能で、規模も大きいFX市場というのは、個人の参加者にとっては比較的フェアな市場であると言えるのです。